Gazelle
2020年09月22日更新 1277 Views

PS5に適したHDR/WCG対応モニターを探す

PS5もそろそろ発売されるのでそれに適したモニタは何かという話。とある雑誌に載っていただけであるが、なるほどと思ったのでまとめる。

HDR対応で太陽光と白熱電球の光を区別する

HDRはHigh Dynamic Rangeの略で、コントラスト比を向上させ、明暗の差をクッキリと表示させることによりよりリアルに近い光の表現を可能にする技術である。

詳細説明の前にまず明るさの単位について話す。

明るさの単位はnit(ニト)あるいはcd/m^2(カンデラ毎平方メートル)で表現される。カンデラは光度の単位で、蝋燭(ろうそく)の光が1カンデラなのだとか。つまり蝋燭の光が1nitである。

他、100Wの電球が100nit、太陽の輝度はなんと20億nitだそうだ。

ここで非ダイナミックレンジ(SDR, Standard Dynamic Range)のいわゆる普通のモニターでは最大輝度が100nitと定められており、この結果電球も太陽光も100nitで表現せざるを得なくなり、その差を区別することができない

ところがHDRでメジャーなHDR10規格では最大輝度10000nitまで対応可能であり、明るさも8bitの255段階ではなく10bitの1023段階に区別して割り当てる事ができる。

流石にリアルワールドと比べるとまだかなりの差はあるものの、大きく改善されたと言える。

HDR対応のゲームはPS5では多く出てくるはずなので対応したモニターを準備しておきたいところである。

WCGでエメラルドグリーンの海を忠実に表現

次にWCGはWide Color Gamutの略である。Gamutは領域を表す英語で、そのまんま広範囲の色域を表現した規格ということになる。ただ、WCGは俗称であり、正式にはBT.2020色空間と呼ばれる。

BTとはBroadcasting Seivice Televisionの略で「テレビ放送用」の「2020番目」の国際規格ということらしく、4Kテレビでは標準的に採用されている。しかし4K未満のPC用モニターでも採用されているものもあるとのこと。

一方で一般的なテレビ・ディスプレイとして採用されているものはsRGB(BT.709) という規格であり、WebブラウザもこのsRGBに準拠している。

WCGは色域がsRGBの1.7倍あり、よりリアルに近い色を表現することができる

ちなみに色域とは人間が知覚できる色の内、ディスプレイが表現する範囲である。図の半楕円は人間の知覚領域、三角形はsRGBの色域を示す。RGBはそれぞれ8bitの255段階で表現できるため、255の三乗で1677万色を表現できる。
image.png

この1677万色がそれぞれ三角形の内部にプロットされて、最終的な色が決まる分けである。当然色域が異なるとRGB値は同じでもプロットされる位置が異なってくるため同じ色にはならない。

1.7倍の色域があるWCGは知覚領域の99%をカバーすることができ、エメラルドグリーンに輝くサンゴ礁の海や車のボディカラー、カラフルな動植物などを忠実に表現できる

HDR/WCG対応製品を探す

まず4KテレビであればHDR/WCGは標準的な仕様となっているため、4Kテレビを購入するならば安心して最先端の映像を楽しむことができる。4Kテレビを名乗るならばHDR/WCGに対応しなければならないのである。

まあドンキが出す4Kテレビとかはかなり疑わしいが、LG、シャープ、ソニー、パナソニック、東芝あたりの有名メーカーならば間違いなく対応しているだろう。

次にPC向けモニターの場合はどうか?HDRに対応していてもWCGには対応していないモデル、4K未満でも両対応のモデル様々である。

それぞれ対応を謳っているいるものなら問題がないが、他の見分け方としてVESAという映像周辺機器の標準化団体が定めているDisplayHDRという規格がある。

この規格はHDR/WCGの品質を数値として保証してくれており、DisplayHDRが500以上がHDR/WCG両対応となる。ある程度の満足を得るためにはDisplay HDR600(Amazonへ)以上は欲しいとのことである。ご参考に。

31.5インチ4Kのモニタ買うか悩む。ただ映像専門のテレビの方が機能面やパネルが優れ、向いているのは4Kテレビである。最近のテレビはサイズが大きすぎるのが難点なので悩みどころだ。

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